令和4年12月のこみリハ教室


12月17日は、今年最後のこみリハ教室でした。札幌は去年よりも早く根雪を感じるようになりました。何かと出不精になりがちな季節ですが、4組7名の方のご参加を頂きました。


Iさんは、2ヶ月ぶりのご参加です、旅行好きのIさんご夫妻は、病前からの趣味を麻痺に負けずに続けています。今回も旅のお話しをじっくりお聞きすることが出来ました。Iさんの旅ばなしは他の参加者の皆さんもすっかり楽しみになっているようです。今月5日に長崎に行ってきました。千歳空港から福岡空港へそして新幹線に途中乗り換えて長崎へ。巡った観光名所の名前を一つづづゆっくり紹介下さいます。坂の多い町、原爆記念館の登りが大変だったと教えてくれました。病前にも行ったことのある長崎を今度は杖をついて歩くことで以前気づかなかったことで印象が変わることもおありでしょうが、屈することなく旅を重ねることでむしろどんどん自信をつけているIさんの姿は皆さんの励み憧れです。

Nさんは、毎年恒例の年賀状作成のお話しです。土鈴のコレクターであるNさん、年賀状に思い入れがあります。左手でひと言を一枚ずつ書いているところとのこと。日課の映画鑑賞もしばしお休みとのことでした。
Nさんが毎年依頼する印刷屋さんの名前が出ると、隣の席のAさんが知っているとお話しが展開しました。

そのAさん、数か月前にぎっくり腰になり皆さんからアドバイスをもらっていましたが、大分良くなったようです。奥さんが仕事に行くので自分が家事担当とのこと、洗濯ばかりしていると、奥さんに洗剤と水がもったいないから頻度を変えるよう言われるそうです。数年前に体調を崩して以来、食生活を見直したAさんは野菜中心の食生活ですが「草ばかり食べている」と話し、皆さんを笑わせてくれます。

Kさんは前回珍しくお休み。当日急に膝が痛み出し病院に行かれました。注射してリハビリが必要と言われたとメモをみながらお話しくださいます。今日は杖をついてきたKさん、こころなしか腰が伸び背が高くなった感じがしました。姿勢が改善され足の負担が軽くなるといいですね。

休憩に入っても皆さんそれぞれに交流されていて和やかなひとときでした。左手で上手にスマホのカメラを使いこなすのを見て皆で使い方を確認しました。これからはスマホのカメラをお勧めします、画面上ではなく側面のボタンを押しても撮れるのですね!ちょっと気づくの遅いですね。


後半のレクは2本立てです。
1本目は「アイウ」です。皆さんで順番に「アイウ」を1音ずつ発音していきます。簡単なようですが、思うように言葉が出ない皆さんにとっては前の人と同じ発音をしてしまったり、「え」と言ってしまったりしてしまい、緊張と集中が伴います。ご家族もついつられそうになり、皆さんで和気あいあいと発音発声の練習ができました。「リンゴ」や「ミカン」など単語でもできますが。個人的には「アイウ」がいいですね~。


2本目は数字ビンゴです。今回は皆さんに2桁の数字を想起して言って頂き、それを25マスに埋めて行きます。失語症の方に数字は本当に難しいことが多く、言う、書く、聞くことが一度に練習できます。



コロナの感染がまだ続く中、こみリハ参加メンバーの皆さん、スタッフ、ボランティアの方を含め、全員無事に今年もご利用頂けたことを感謝し、来年来月も元気にお目に掛かれますよう願い、お開きとなりました。

いーたいむのこみリハ教室は、毎月第3土曜日午後2:30~4:30まで、スーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームで開催しております、詳しくはいーたいむにお問い合わせ下さい。

令和4年11月のこみリハ教室


第3土曜日の11月19日午後2:30、コロナの感染者が増加している中ではありますが、無事予定通り教室を開催することができました。失語症の方3名にご家族が2名と全体で5名のご参加を頂きました。
最近では、コロナ禍に皆さんにお会いできるのは本当に奇跡に近い気が致します。感慨深いです。

Aさんの「みんな5回目ワクチン打ったの?」といった問いかけから始まり、今回もフリートークが盛り上がりました!!!秋の予定のキノコ狩りも無事終わったとのことですが、今年はやっぱり思うような収穫にはならなかったようです。収穫では奥さんに負けたようです。悔しがっておりました。


Iさんのご主人が今日はお誕生日とのことでした。80歳には見えない若々しいご主人でいらっしゃいます。「生命保険がこの度切れて、息子に金が入らないぞと伝えました。」といつものジョークで皆さんを笑わせて下さいます。人生100年の時代ですね、80代はまだまだ活発に活動できるのです。うつのお話しやゴルフを続けるお話しなど話題は絶えません。失語症の奥様は、「今日は帰りにお寿司とケーキを買って帰ります。」とお教えくださいました。

Nさんは、先月末に行った平岡樹芸センターのパンフレットをファイルから外して見せてくれました。奥さんが説明を助けて下さいます。タイヤ交換に行った帰りに新聞に出ていたので行ってみました、とのことです。Nさんに「紅葉はきれいでしたか?」と質問すると首をひねっております。奥さん情報では、先に日本庭園を観てしまい、本尊のもみじにたどり着いたときは日没で薄暗くなっていました、見る順番を間違えました!とのことでした。来年もチャレンジですね。本当にきれいな紅葉のようです。


Aさんも来年チャレンジしたいと、「どうやって行くの?」と尋ねていらっしゃいました。桜並木やイチョウ並木も良いですが、もみじも見ごたえありそうですね。

後半の失語症レクは、2部構成となりました。
1部は、仮名文字ビンゴです。最近かな文字をよくゲームに用いております。


50音のかな文字から25マスのビンゴ用紙を埋めて頂きます。
かな文字は失語症の方には、漢字より理解が難しいと言われています。


五十音の半分といえどもこれを想起するのはエネルギーが必要です。
ご家族やスタッフのお手伝いもあり皆さん完成!ビンゴゲームスタートです。皆さんルールはバッチリなので、リーチをたくさん作ろうと集中です。「リーチ!」「ビンゴ!」の声で大いに盛り上がりました。

2部は、果物カードを使っての記銘力ゲームです。短時間でたくさんの果物を覚えて名前を思い出すのも失語症の皆さんにとっては大変なことなのです。
コロナに負けず、今月も皆さんのご参加に感謝です。

こみリハ教室は、毎月第3土曜日午後2:30から、スーパーアークス菊水店2Fで開催しております。詳しくは、いーたいむにお問い合わせください。

令和4年10月のこみリハ教室


10月としては暖かい日となった15日土曜日の午後、こみリハ教室を開催致しました。今月は、失語症の方
とご家族7名のご参加を頂きました。ボランティアのMさんもご一緒くださいました。
先ずは、皆さんお揃いになったところで、恒例の今月の情報を各自お話し頂きます。



先ずは2ヶ月ぶりにご参加のHさんです。

9月の初めに受診した歯科の出口で転んだお話しです。隣にいたご主人に思わずつかまったが、ご主人は支えきれずに一緒に転んだとのことでした。骨折などの大事にいたらず何よりでした。しばらくは部屋の中でも車椅子を使うことになったとのことでした。Hさんが力を込めてお伝えくださったのは、転倒した時に通りがかりの女性が助けて起こしてくれたことです。とても慣れていて大変助かったとのことでした。男性も通りかかったそうですが知らん顔だったとか。お助けする自信がなかったのかも知れませんね。大けがにならず本当に良かったです。

Yさんは、いつものように録画した映画を観た報告です。いつもはタイトルを書いたノートを見せてくれるのですが、今日は音読に挑戦して頂きました。頑張って2本のタイトルを口頭でお教え下さいました。更に何か伝えたいことがおありだったようで、続けて身振りが始まり絵を描いてくれました。エレベーターがわかり、お住まいのマンションでの事なのはわかったのですが、全てを理解できずすごく残念でした。またあらためて、個人レッスンの時に伺うことにさせて頂きました。ごめんなさい。また、Yさんは4回目のワクチンを打ってきましたと奥さんからお教え頂きましたが、Yさんは腕に大きなアザのように内出血が見られたとのことで、スマホに奥さんが撮影したものを見せてくれて一同驚きでした。ご本人も腕をめくってお見せくださったのですが、隠れて見えませんでした。でもスマホで奥さんが撮影してくれた画像を見て皆で驚きました。熱も若干あったそうですが、今日ご参加頂けるほど体調に変化がなく何よりでした。

Aさんも2か月ぶりでした。今年の秋の山菜キノコ採りの報告です。「今年は全然だめだね」とのこと。奥さんが職場の近くでたくさん採ってきたのを見せられ、悔しかったようです。

Kさんは、いつも通り足腰のために散歩を続けていて、なにやら赤い実を見つけたとのこと。名前がわからないとのことでした。そこでKさんのスマホが初めて登場しました。カメラを使えたらということで、ご主人がご準備下さいました。ご家族の理解と支えが本当に嬉しいですね。赤い実は、スズランの実と判明致しました。

後半の失語症レクは、最近おなじみになりつつある『仮名文字チップでの単語作り』です。
今年のこみリハでは恒例になりましたが、仮名文字のチップを使って単語作りを致します。
始めに不作為に選んだ文字を、皆さん五十音の中から集めて頂き、それらの文字を使ってできるだけ残さずに
使い切って言葉を作って頂きます。皆さんすっかり慣れた様子で、集中して取り組まれておりました。


五十音を並べるのも失語症の方は難しいことが多いのです。


家族の皆さんも、お手伝いのタイミングをはかります。
ご本人のできる気持ちを待つことが大切ですが、なかなかこれが難しい。


じっくり集中の時間です。



同じ文字でもそれぞれ想起できる言葉が違っていて面白いですね。
お互いの発表を皆さん興味深く聞いていらっしゃします。
そして自ら文字を読み発表するのも緊張の一瞬です。


今月もご参加頂きました皆さん、有難うございました。

失語症者と家族が集える「こみリハ教室」は、毎月第3土曜日午後2:30から、スーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームで、感染対策を行いながら開催しております。
詳しいお問い合わせは、失語症サロンいーたいむに、お電話もしくはメールでお問い合わせください。