令和7年5月のこみリハ教室
- 2025年05月30日
- お知らせ
失語症サロンいーたいむの言語聴覚士 金浜 悦子です。
このレポートでは、札幌で毎月開催している失語症の方のリハビリ教室
「こみリハ」の様子をご紹介しています。
この教室は、ご家族も一緒に参加することができます。
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風にのってライラックの香りが漂う5月、第3土曜日の午後、こみリハ教室を開催いたしました。
外歩きが心地よい季節となり、スーパーアークス菊水店2Fのコミュニティルームには、失語症の方とご家族、計10名がご参加くださいました。
いつものように、和やかな空気の中で始まりました。
前半は恒例の近況報告です。
今月は暖かさが増し、皆さんの外出の機会もぐんと増えた様子がうかがえました。
なかでも印象的だったのは、Hさんが訪れた月形樺戸博物館の話題です。実はTさんも偶然同じ場所を訪れており、写真をご持参くださいました。
皆さんで写真を見ながら、昔の刑務所の建物の様子についてなど話が弾みました。
また、Tさんはこの1カ月でなんと映画を3本も鑑賞されたとのことです。なかでも特に面白かったのは、話題となっている作品『教皇選挙』だとお話くださいました。さらに、Nさんからは、北海道立近代美術館で開催中の「歌川国芳展」へ足を運ばれたという報告もありました。
缶バッチコレクターのNさん、今回もしっかり缶バッチをゲットされたとのことです。
他にも、散歩道で見かけた花の話や桜の話など、季節を感じる報告が続きました。
後半のレクレーションは、3月にも行った「かな単語づくり」です。
今回も無作為に選ばれた仮名をもとに、できるだけ多くの単語を作りました。
すべての仮名を使い切るのが難しい組み合わせもありましたが、皆さん集中して、それぞれ工夫を凝らした単語を作られておりました。
動詞はカウントせず、名詞を作るルールにしました。「こんな言葉あったかな?」と首をひねりつつも、他の人にはない単語を出す方もいて、たびたび驚きや笑いが起こりました。
最初は「こも」という単語がピンときませんでしたが、スマホで調べて「名詞です!」と教えてくださいました。(い草やわらで編んだむしろ状のものだそうです)
失語症の方にとって仮名の理解は難しい面もありますが、だからこそこのレクレーションは良い刺激になると感じられます。
気づけばあっという間の2時間。今月もそれぞれのペースで、楽しく、そしてじっくり取り組む時間となりました。
「こみリハ教室」は、失語症の方とご家族がともに参加できる場です。
毎月第3土曜日、午後2:30~4:30まで、スーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームにて開催しています。詳しくは「いーたいむ」のお問い合わせフォームをご利用ください。