令和7年5月のこみリハ教室


失語症サロンいーたいむの言語聴覚士 金浜 悦子です。
このレポートでは、札幌で毎月開催している失語症の方のリハビリ教室
「こみリハ」の様子をご紹介しています。
この教室は、ご家族も一緒に参加することができます。

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風にのってライラックの香りが漂う5月、第3土曜日の午後、こみリハ教室を開催いたしました。
外歩きが心地よい季節となり、スーパーアークス菊水店2Fのコミュニティルームには、失語症の方とご家族、計10名がご参加くださいました。
いつものように、和やかな空気の中で始まりました。


前半は恒例の近況報告です。
今月は暖かさが増し、皆さんの外出の機会もぐんと増えた様子がうかがえました。
なかでも印象的だったのは、Hさんが訪れた月形樺戸博物館の話題です。実はTさんも偶然同じ場所を訪れており、写真をご持参くださいました。
皆さんで写真を見ながら、昔の刑務所の建物の様子についてなど話が弾みました。


また、Tさんはこの1カ月でなんと映画を3本も鑑賞されたとのことです。なかでも特に面白かったのは、話題となっている作品『教皇選挙』だとお話くださいました。さらに、Nさんからは、北海道立近代美術館で開催中の「歌川国芳展」へ足を運ばれたという報告もありました。


缶バッチコレクターのNさん、今回もしっかり缶バッチをゲットされたとのことです。
他にも、散歩道で見かけた花の話や桜の話など、季節を感じる報告が続きました。

後半のレクレーションは、3月にも行った「かな単語づくり」です。
今回も無作為に選ばれた仮名をもとに、できるだけ多くの単語を作りました。

すべての仮名を使い切るのが難しい組み合わせもありましたが、皆さん集中して、それぞれ工夫を凝らした単語を作られておりました。


動詞はカウントせず、名詞を作るルールにしました。「こんな言葉あったかな?」と首をひねりつつも、他の人にはない単語を出す方もいて、たびたび驚きや笑いが起こりました。


最初は「こも」という単語がピンときませんでしたが、スマホで調べて「名詞です!」と教えてくださいました。(い草やわらで編んだむしろ状のものだそうです)
失語症の方にとって仮名の理解は難しい面もありますが、だからこそこのレクレーションは良い刺激になると感じられます。



気づけばあっという間の2時間。今月もそれぞれのペースで、楽しく、そしてじっくり取り組む時間となりました。

「こみリハ教室」は、失語症の方とご家族がともに参加できる場です。
毎月第3土曜日、午後2:30~4:30まで、スーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームにて開催しています。詳しくは「いーたいむ」のお問い合わせフォームをご利用ください。

令和7年4月の「こみリハ教室」


失語症サロンいーたいむの言語聴覚士 金浜 悦子です。
このレポートでは、札幌で毎月開催している失語症の方のリハビリ教室
「こみリハ」の様子をご紹介しています。
この教室は、ご家族も一緒に参加することができます。

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肌寒さの残る4月の第3土曜日、いつものようにスーパーアークス菊水店でこみリハ教室を開催致しました。
失語症の方とご家族9名のご参加でした。1ヶ月ぶりですが、あっという間ですね。皆さんすっかり顔なじみになられ、お互いに会釈やお声でご挨拶されていました。


前半は近況報告です。ようやく外歩きができる季節になり、ウォーキングと称して外での歩行練習を再開したという話題が多く聞かれました。腰痛対策をかねたプール通いを始められた方のお話も聞かれました。朝明るくなるのも早くなり、3時に起床されている方も。Tさんは年に2回の豊富温泉通いがあったり、近郊に出かけ、渡り鳥をご覧になったりされているそうです。いずれも春の訪れを感じる話題でした。

後半のレクは『サイコロ計算ゲーム』です。


2人もしくは1人でサイコロを2個転がして頂きます。出た目の数を1から9までの数字の持ち札を合わせたりそのままの数を裏返し、早く持ち札すべてを無くした組が勝ちになります。例えば6と6が出た場合、足すと12になります。持ち札を合わせて12になるようにするといくつかパターンができます、9と3とか、7と5とか、8と4とか…そこからどれを捨てるか残すかの駆け引きが始まります。




皆さん初めてではないのですが、コツを忘れている方も多いかと、先ずは練習してみて慣れたところで勝負の本番となりました。最初は各組順調に札を裏返していきますが、徐々に出た目の数と合わなくなってきたりするのでパスが増えたりとサイコロを転がす手にも力が入ります。出た目の数をみて徐々に落胆の声や歓声が聞かれ、大いに盛り上がりました。失語症の方にとって数字や計算は理解が難しくなったり、言いにくかったり言い間違ったりしやすいものなのです。

失語症の方とご家族も参加できるこみリハ教室は、毎月第3土曜日午後2:30~4:30まで、スーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームで開催しております。詳細はいーたいむにお問い合わせください。

令和7年3月の「こみリハ教室」


失語症サロンいーたいむの言語聴覚士 金浜 悦子です。
このレポートでは、札幌で毎月開催している失語症の方のリハビリ教室
「こみリハ」の様子をご紹介しています。
この教室は、ご家族も一緒に参加することができます。 

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朝から真っ白冬景色、暑さ寒さも彼岸まで。春が待ち遠しい3月15日の午後、こみリハ教室を開催致しました。悪天候にも関わらず失語症の方とご家族8名の方がご参加くださいました。
1ヶ月ぶりのご集合で、皆さんお互いに「こんにちは!」と大きな声や会釈で挨拶されていました。


前半は恒例の近況報告です。
先月風邪でお休みだったTさんはすっかり回復されました。あちこちお出かけになっているようで、今回訪ねられた神社のことを写真とともにお話しくださいました。昔あるコマーシャルで有名になったところで、地名を聞くだけで懐かしくなりました。


Nさんは右足の痛みの訴えと共に、先日めでたく金婚式を迎えられたこと、お祝いに、カニを食べに行ったことをノートでお伝え下さいます。


そこで皆さんに「どのカニが好き?」と聞いてみました。ボードに『1.タラバ 2.毛ガニ 3.花咲 4.ズワイ』と示してお尋ねしましたら、毛ガニが一番人気でした。Nさんはボードに「毛」と書かれ、Mさんは「ケガニ!」とはっきり答えられました。Mさんは普段は「わからない」という発言が多いので、会場の皆で歓喜しました。

Kさんは、リハビリに通っていることや、洗濯機が壊れて新しいものに替え、ようやく慣れてきたとのことを、メモを用意していつものように音読説明してくださいました。

Aさんはいよいよプールに行き始めたと報告してくださいました。

後半は、前回に続き「かな単語作り」です。
失語症の方にとって、文字は漢字より仮名の理解が難しい場合が多いのです。平仮名五十音の中から、不作為に選んだ文字を使って、できるだけ沢山の単語を作る練習になります。一度練習をしてから2回戦行い、できるだけ沢山の仮名文字を使ってみました。普段使うことの少ない言葉を作ったり音読して頂いたり、お互いに作った単語を出し合って頂きました。他の誰も作っていない言葉がたくさんあった人は誰でしょう。意外な言葉が出来上がったりしておりました。




皆さん集中力がすごかった!あっという間にお時間になりました。


失語症の方とご家族も参加できる「こみリハ教室」は、毎月第3土曜日午後2:30~4:30までスーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームで開催しています。詳しくはいーたいむのお問い合わせフォームをご利用ください。