令和7年3月の「こみリハ教室」


失語症サロンいーたいむの言語聴覚士 金浜 悦子です。
このレポートでは、札幌で毎月開催している失語症の方のリハビリ教室
「こみリハ」の様子をご紹介しています。
この教室は、ご家族も一緒に参加することができます。 

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朝から真っ白冬景色、暑さ寒さも彼岸まで。春が待ち遠しい3月15日の午後、こみリハ教室を開催致しました。悪天候にも関わらず失語症の方とご家族8名の方がご参加くださいました。
1ヶ月ぶりのご集合で、皆さんお互いに「こんにちは!」と大きな声や会釈で挨拶されていました。


前半は恒例の近況報告です。
先月風邪でお休みだったTさんはすっかり回復されました。あちこちお出かけになっているようで、今回訪ねられた神社のことを写真とともにお話しくださいました。昔あるコマーシャルで有名になったところで、地名を聞くだけで懐かしくなりました。


Nさんは右足の痛みの訴えと共に、先日めでたく金婚式を迎えられたこと、お祝いに、カニを食べに行ったことをノートでお伝え下さいます。


そこで皆さんに「どのカニが好き?」と聞いてみました。ボードに『1.タラバ 2.毛ガニ 3.花咲 4.ズワイ』と示してお尋ねしましたら、毛ガニが一番人気でした。Nさんはボードに「毛」と書かれ、Mさんは「ケガニ!」とはっきり答えられました。Mさんは普段は「わからない」という発言が多いので、会場の皆で歓喜しました。

Kさんは、リハビリに通っていることや、洗濯機が壊れて新しいものに替え、ようやく慣れてきたとのことを、メモを用意していつものように音読説明してくださいました。

Aさんはいよいよプールに行き始めたと報告してくださいました。

後半は、前回に続き「かな単語作り」です。
失語症の方にとって、文字は漢字より仮名の理解が難しい場合が多いのです。平仮名五十音の中から、不作為に選んだ文字を使って、できるだけ沢山の単語を作る練習になります。一度練習をしてから2回戦行い、できるだけ沢山の仮名文字を使ってみました。普段使うことの少ない言葉を作ったり音読して頂いたり、お互いに作った単語を出し合って頂きました。他の誰も作っていない言葉がたくさんあった人は誰でしょう。意外な言葉が出来上がったりしておりました。




皆さん集中力がすごかった!あっという間にお時間になりました。


失語症の方とご家族も参加できる「こみリハ教室」は、毎月第3土曜日午後2:30~4:30までスーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームで開催しています。詳しくはいーたいむのお問い合わせフォームをご利用ください。

令和7年2月の「こみリハ教室」


失語症サロンいーたいむの言語聴覚士 金浜 悦子です。
このレポートでは、札幌で毎月開催している失語症の方のリハビリ教室
「こみリハ」の様子をご紹介しています。
この教室は、ご家族も一緒に参加することができます。 

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2月15日第3土曜日の午後、年明け2回目の教室開催です。今年の札幌は例年に比べて雪が少ない日々です。これから来るのかな…、もう春ですけどね。今月は失語症の方とご家族の方が計7名ご参加くださいました。


前半は皆さんからの近況報告です。
山菜取りのプロ!ともいえるAさん、先月は風邪でお休みでしたが春に向かって体力作りがテーマのようです。週2回のデイサービス利用を1回に減らしてプールに行こうかと考えているとのことでした。

Kさんは節分に、以前住んでいたまちのお寺に御札をもらいに行ってきたとのことです。しっかりメモを用意されていつものように音読されますが、不意の質問にも地名などお答えくださるときは随分スムーズになられたと思います。

Yさんは恒例の雪まつりの記念バッチの購入が今年もできたと実物を披露して教えて下さいます。昨年のバッチと一緒にご持参くださいました。札幌に来られて41年になるとのこと、その年から雪まつりには当時小さかったお子さんたちを連れて出かけられ、その時に子供さんたちにバッチを付けてもらった思い出があるとのことでした。あれから40年!!!?どこかできいたフレーズですね(笑)ですから41個お持ちなのですね。いつかズラーっと見せて頂きたいなあ…と思ってしまいます。


さらに、ご夫婦でさだまさしさんと談春さんの二人会に行った時のことを奥様からお聞きしました。席の場所が大変だったそうで、これもご本人は座席表をノートに描いてきて私たちに見せて訴えられていました。


麻痺のある足では少しの段差でもつらく奥の席で狭い通路を人前を割って入っていかなくてはならないという問題が会場についてわかり問題発生!会場に行くまでは、ご本人もオペラグラスなど準備してノリノリだったのですが、会場について気分一変…。この度は座席指定がなかったことやチケット購入のタイミングも相まって座席を選べなかった為に起きたことでした。

積極的に外出できる失語症の方もたくさんいらっしゃいますが、出かける場所によっては障壁が立ちはだかることも少なくありません。ご家族はそのことによって自分の外出を諦めたり我慢することもよくあります。今回、ご本人は大変だったのだけど、奥様に癒しの時間を提供できたことや、次につながる経験をされたことに意味があると思いました。でも本当にお疲れ様でした。
後日、奥様から提供された当日の画像です。赤い線が入っているところに座られたそうです。遠い!!


Mさんも2か月ぶりのご参加でしたがお変わりなくホッと致しました。腰痛は薬で少しおさまってきたようですがお出かけ頂けて何よりでした。Mさんの元気なお声が会場に響くと皆さんも自然に明るくなり元気を頂いています。

後半のレクは今回も2本立てです。すき焼きジャンケンゲームと仮名文字ならべです。


すき焼きゲームは、ジャンケンで勝った人に材料のカードを引いて頂き早く材料がそろったら勝ちです。
材料は、牛肉、しらたき、ねぎ、豆腐、卵の5種です。チームで家族の役割をきめてジャンケンで勝負していくのが定番ですが、今日は人数が少ないので個人戦です。取ったカードの材料名を言って頂きながら各自揃えていきます。しらたきばかり集まる方やねぎばかり集まる方もいて「次こそ肉を!」とジャンケンにも力が入ります。




後半は仮名文字チップを使って単語作りです。失語症の方にとって平仮名は理解が難しいことが多く、皆さん悪戦苦闘されていましたが、各々ご家族やスタッフのお手伝いもあって単語が出来ていました。
今日もあっという間にお開きとなりました。


失語症の方とご家族も参加できるこみリハ教室は、毎月第3土曜日午後2:30から4:30まで、スーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームで開催しています。詳しくはこちらのお問い合わせフォームからご相談ください。

令和7年1月の「こみリハ教室」


失語症サロンいーたいむの言語聴覚士 金浜 悦子です。
このレポートでは、札幌で毎月開催している失語症の方のリハビリ教室
「こみリハ」の様子をご紹介しています。
この教室は、ご家族も一緒に参加することができます。 

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12月は会場の都合でお休みとなり残念でしたが、1月18日の第3土曜日は予定通り開催することができました。天候もさほど荒れることなくでしたが、風邪を引いたり腰の痛みがありお休みの方もいらっしゃいました。失語症の方3名とご家族2名にご参加頂きました。
前半は、近況報告ですが、お正月の過ごし方や遠方からお越しの方には雪の様子など伺いました。ともあれ、皆さん今年は静かなお正月を過ごすことができたようで何よりです。


岩見沢の大雪は12月で、1月はそれほどでもとのことでしたが、ごみステーションの屋根の雪を画像に残してきてくださったので、皆さんに披露頂きました。1メートルはあったかな。


後半のレクは、ウォーミングアップで聞き取り練習を行いました。お正月にちなんだ物の名前を進行が言っていきますが、時々関係ない名前が出てきますのでお正月の物には手を上げて聞き分けに挑戦して頂きました。徐々に慣れて皆さん正解できました。

レクの1つ目は、『我が家のお雑煮』と題してどんな具材が入るかを上げて頂きました。3組それぞれやはり違いがありまして、シンプルな物やイクラや鮭が入る豪華なものなど先ずは各々ホワイトボードに具材の見本などを参考に文字もしくは絵で表現して頂きます。ホワイトボードをそのまま見せてくれる方、見ながら読み上げてくださる方と発表方法は色々です。



2部はお正月恒例のかるたビンゴです。人数が少なかったこともありゆっくり皆さんに札を選んで読み上げて頂きました。失語症の方は音読が得意な方も苦手な方もいらっしゃいます。ゆっくり自分のペースが大切です。



今年は毎年優勝を逃して諦めていた方が勝ち、めでたくおひらきになりました。

ご家族も参加できるこみリハ教室は、毎月第3土曜日午後2:30~4:30まで、スーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームで開催しています。
詳細はいーたいむにメールでお問い合わせをお願い致します。