令和7年10月のこみリハ教室


失語症サロンいーたいむの言語聴覚士 金浜 悦子です。
このレポートでは、札幌で毎月開催している失語症の方のリハビリ教室
「こみリハ」の様子をご紹介しています。
この教室は、ご家族も一緒に参加することができます。

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第3土曜日の18日、午後2:30から失語症こみリハ教室を開催致しました。雨が降りそうなどんよりの空模様の中、スーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームに、失語症の方とご家族の方が10名ご参加下さいました。

1ヶ月ぶりにお会いする皆さん同士でご挨拶を交わされます。ご家族の方やボランティア、見学の方々に会場作りをお手伝い頂き無事開始です。

「こんにちは」と皆さんの元気なお声でスタートし、先ずは今朝の大谷君の活躍ばなしや昨今のクマ出没ニュースのことなどに触れ、恒例の近況報告へ。




Kさんは、帯状疱疹で先月お休みでしたが、今月はご参加くださり「いたいの(いたかった)」と説明してくださいました。

Mさんは最近外出の機会が増えているようで先日お出かけしたショッピングモールの話をしてくださいました。外出には車椅子を使っていますがこの日は出先の車いすが出払っていて杖で歩いたとのこと、怖いけどチャレンジも必要な時があります。雪の季節が来るまでは外出の機会がまたあると良いですね。

キノコ採り名人のYさん!2回行ってきたとのこと、山にいくと「もう来るんじゃない」と言われたとのこと今年はね…。よくぞご無事でした。

Aさんも植物園、博物館にお出かけしたとのことでスマホの画像や地図を検索して伝えてくださいます。

Tさんは失語症の同行支援を活用し、市内の公園に行かれたとのことです。
巷ではインフルエンザが流行し始めてているようですが、こみリハの皆さんはお元気で何よりです。メモ帳に予め内容を書いていらしたり、写真を貼ったファイルやパンフレットを持参されたり、スマホを使ったりと皆さんそれぞれに伝える工夫がどんどん進化しています。

後半のレクは、久しぶりの「はい・いいえ連想ゲーム」です。失語症の皆さんに見せた絵が何かを家族の皆さんに質問で当てて頂くというゲームです。ただし質問は失語症の方が「はい」か「いいえ」で答えれるように配慮しなくてはいけません。

「どこにあるもの?」などという質問は「はい」「いいえ」では答えられませんね。「台所にありますか?」と質問を変えると「はい・いいえ」で答えられますね。この配慮がなかなか難しいのですが、慣れると日常のちょっとした場面で役立ちます。


 


今日のお題はちょっと難しかったみたいですが、皆さん何度も行っておりますので、少しレベルアップを図りました(笑)。

最初のお題は『卵』でした。全くのノーヒントですで、例えば最初は「食べられますか?」などと大きな枠から徐々に的を絞っていくことが必要です。

2つめのお題は『はさみ』でした、これも難しかったのですが、「電化製品ですか?」に質問に失語症の方が「はい」と答えてしまい、「???」が広がりました。

答えも必ず正解をいえるわけではなく、前の人のお返事につられたり、質問の内容がわからずとりあえず「はい」と言ってしまい、答えから離れてしまう場合もあります。

今回は最後にジェスチャーの力も借りて当てて頂きましたが、大いに皆さん盛り上がり、間違っても笑いが起こったり楽しく体験頂くことができたと思います。また忘れないうちにやってみましょうね(笑)。

失語症の方と家族の方もご参加できるこみリハ教室は、毎月第3土曜日午後2:30から4:30まで、スーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームで開催しています。詳しくは、お問い合わせフォームからご連絡ください。

令和7年9月のこみリハ教室


失語症サロンいーたいむの言語聴覚士 金浜 悦子です。
このレポートでは、札幌で毎月開催している失語症の方のリハビリ教室
「こみリハ」の様子をご紹介しています。
この教室は、ご家族も一緒に参加することができます。

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北海道もようやく過ごしやすい季節がやってきました。20日土曜日の午後、いつものようにスーパーアークス菊水店2Fのコミュニティルームで失語症の方の為のこみリハ教室を開催致しました。

この日は午後から大雨になる予報でしたが、雨が降る前に開催できホッと致しました。失語症の方6名とご家族の方4名にご参加頂きました。

先月は開催日が丁度お盆と重なり、お墓参りなどで欠席されていた方もおりましたので今月は2ヶ月ぶりにお会いできた方もいらっしゃいました。


前半は恒例の近況報告です。
やはりお墓参りに行って来られた方のご報告が多かったです。旭川や余市でのお墓参りを済まされて、地元ならではのうに丼やとり料理のフルコースを召し上がってこられたとのことでした。

Kさんに「腰は痛みますか?」と尋ねると「大丈夫!」と元気にお答え頂き安心しましたが、奥さんからの情報では2カ所あるお墓参りの1カ所目が終わると「もう終わり」と言われて説得が大変だったようです。やはり長距離旅行は体力的にも大変になってきているのかも知れませんね。北海道は広いのでお墓参りも体力勝負です。

久しぶりに帰省した娘さんと一緒に積丹までドライブされた方もいらっしゃいました。会場では奥さんたちが今年のうに丼の価格値上がりについて盛り上がっておりました。

Aさんは、失語症になられてから祖先のルーツに関心が高まり最近市内の神社や史料館めぐりを始めているとのことです。言葉は出ずともスマホのマップを使って説明を試みられボードに自ら表現することに挑戦してくださいました。

札幌は全国的にみれば歴史が浅いと言われ神社仏閣も少ない土地だと思っていましたが、開拓当時の先人の思いが垣間見れて私もついバスガイド時代の案内文を思い出してしまいます。懐かしい…。


車を走らせてドライブや温泉グルメを楽しんだTさんのお話には必ず写真があります。
キノコ型の器に入ったグラタンがおいしそう!画像が無くてごめんなさい!!

そのキノコ採りが始まっているというお話も、キノコ採りが趣味のYさんは毎年キノコの名前が出てこずモヤモヤするせいか、今年はメモを持参してくださいました。色々あるのですね…。


今月もたくさんの情報を有難うございました。

後半のレクは、「記憶力ゲーム」です。
ボードに提示した複数枚の果物カードを短時間で見て覚え、手元の絵カードを助けに思い出して名前を言って頂きます。練習では6枚で初めて、本番は7枚です。10秒で覚えて頂きましたがちょっと時間は短かったかな。カードも多かったかな。また忘れた頃にやってみましょうね。



失語症の方とご家族も一緒に参加できる「こみリハ教室」は、毎月第3土曜日午後2:30~4:30までスーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームで開催しています。

詳しくはホームページのお問い合わせフォームをご利用ください。

令和7年8月のこみリハ教室


失語症サロンいーたいむの言語聴覚士 金浜 悦子です。
このレポートでは、札幌で毎月開催している失語症の方のリハビリ教室
「こみリハ」の様子をご紹介しています。
この教室は、ご家族も一緒に参加することができます。

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今年の北海道、お盆の頃はもう涼しいはずですが、暑い暑い第3土曜日のこみリハ教室です。
お墓参りなどお休みの方もいらっしゃいましたが、今月も失語症の方とご家族計6名の方にご参加頂きました。


前半の近況報告では、Tさんが最近すっかり趣味となった美術館巡りで旭川に行かれた時に、旭川の駅からタクシーを利用したのですが、運転手さんが博物館と間違って逆方向に走って驚いたとのこと。

Yさんは、最近お気にいりのお店を見つけてそこで購入したシャツの質が大変気に入っていて何度も行かれていること、

Mさんは息子さんの車で遠路に住まわれている妹さんの所までドライブされたこと、

Aさんは道立近代美術館に行かれたことを、各々しっかりお伝え下さいました。


Aさんは最近こみリハにご参加頂けるようになったので、恒例の「あなたのことが知りたくて」ゲームで質問に「はい・いいえ」や数字で答えて頂きました。
Qお酒は好きですか? 「はい」
Qどのお酒がすきですか? 1.ビール 2.日本酒 3.ワイン 4.焼酎


会場の皆さんにも予想して頂きましたが、
→ 正解は、3番のワインでした。
質問には「はい・いいえ」の他に、候補を上げて数字や文字を指さすなどの方法で、相手の意思を確認できることがあります。遠回りのようですが、まさしく『急がば回れ』なのです。

後半の失語症レクは“夏物ビンゴ”を行いました。夏をイメージする30種類の絵カードの中から25個選び、ビンゴのマスを各々自由に選んだカードで埋めて行きます。

ジャンケンで順番を決めてビンゴのルールでカードの名前を読んだり言って頂き、カードがあったらひっくり返していき1列5マス埋まるとビンゴ!と叫んで頂きます。言われたカードを探すのも読み上げるのもひと苦労ですが、「リーチ!」「ビンゴ!」と声が飛び大いに盛り上がりました。



ご家族も一緒に参加できる失語症のこみリハ教室は、毎月第3土曜日午後2:30からスーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームで開催しています。詳しくは、いーたいむにお問い合わせください。