令和7年6月のこみリハ教室


第3土曜日がやって参りました。午後2:30はこみリハ教室開催の時間です。今月も失語症の方とご家族の皆さん10名にご参加頂きました。ご参加者全員が先月のバス旅行に参加下さいました。バス旅行のその後のお話など、近況報告からスタートです。


Nさんはバス旅行で訪れた、夕張石炭博物館から持ち帰った資料を披露くださいます。道内の石炭で栄えた街を紹介したマップや、パンフレットをご紹介頂きました。

Mさんはバス旅行のあと、しばらくお休みしていた散歩を再開したとのこと。近所のコンビニまで愛犬ちゃんとお買い物に行ったそうです。

Yさんの春の山菜取りは無事終了したとのこと、うどやわらび、ふきが収穫出来ました。

Tさんは養老牛温泉まで遠出をされ、Hさんはバス旅行に参加して自信がつき、帯広のご友人に会いに行ったり十勝川温泉の宿に泊まれたとのことでした。嬉しいご報告をたくさんいただきました。休憩時間は皆さんのスクラップや写真、地図などの鑑賞タイムになりました。


後半のレクは、YES-NOゲームです。失語症の皆さんに、まず絵カードを見て頂きます。家族の皆さんは下を向いてもらっているので、何かはわかりません。そのカードの絵を家族の皆さんの質問に、「はい」か「いいえ」で答えて頂き、当ててもらうという失語症ならではの連想ゲームです。

今回のお題は、1,『財布』 2,『西瓜』にしました。財布を当てるのは少し難しかったようです。失語症の方にわかりやすく、かつ「はい」・「いいえ」で答えられる質問をするのは大変ですが、家族の皆さんには是非慣れて頂けたらと思います。2番目のお題はスムーズに当てることができていました。



今日もあっという間の2時間でした。
ご家族も参加できる「こみリハ教室」は毎月第3土曜日午後2:30からスーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームで開催しています。
詳しくはいーたいむのお問い合わせフォームからご連絡ください。

令和7年5月のこみリハ教室


失語症サロンいーたいむの言語聴覚士 金浜 悦子です。
このレポートでは、札幌で毎月開催している失語症の方のリハビリ教室
「こみリハ」の様子をご紹介しています。
この教室は、ご家族も一緒に参加することができます。

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風にのってライラックの香りが漂う5月、第3土曜日の午後、こみリハ教室を開催いたしました。
外歩きが心地よい季節となり、スーパーアークス菊水店2Fのコミュニティルームには、失語症の方とご家族、計10名がご参加くださいました。
いつものように、和やかな空気の中で始まりました。


前半は恒例の近況報告です。
今月は暖かさが増し、皆さんの外出の機会もぐんと増えた様子がうかがえました。
なかでも印象的だったのは、Hさんが訪れた月形樺戸博物館の話題です。実はTさんも偶然同じ場所を訪れており、写真をご持参くださいました。
皆さんで写真を見ながら、昔の刑務所の建物の様子についてなど話が弾みました。


また、Tさんはこの1カ月でなんと映画を3本も鑑賞されたとのことです。なかでも特に面白かったのは、話題となっている作品『教皇選挙』だとお話くださいました。さらに、Nさんからは、北海道立近代美術館で開催中の「歌川国芳展」へ足を運ばれたという報告もありました。


缶バッチコレクターのNさん、今回もしっかり缶バッチをゲットされたとのことです。
他にも、散歩道で見かけた花の話や桜の話など、季節を感じる報告が続きました。

後半のレクレーションは、3月にも行った「かな単語づくり」です。
今回も無作為に選ばれた仮名をもとに、できるだけ多くの単語を作りました。

すべての仮名を使い切るのが難しい組み合わせもありましたが、皆さん集中して、それぞれ工夫を凝らした単語を作られておりました。


動詞はカウントせず、名詞を作るルールにしました。「こんな言葉あったかな?」と首をひねりつつも、他の人にはない単語を出す方もいて、たびたび驚きや笑いが起こりました。


最初は「こも」という単語がピンときませんでしたが、スマホで調べて「名詞です!」と教えてくださいました。(い草やわらで編んだむしろ状のものだそうです)
失語症の方にとって仮名の理解は難しい面もありますが、だからこそこのレクレーションは良い刺激になると感じられます。



気づけばあっという間の2時間。今月もそれぞれのペースで、楽しく、そしてじっくり取り組む時間となりました。

「こみリハ教室」は、失語症の方とご家族がともに参加できる場です。
毎月第3土曜日、午後2:30~4:30まで、スーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームにて開催しています。詳しくは「いーたいむ」のお問い合わせフォームをご利用ください。

令和7年4月の「こみリハ教室」


失語症サロンいーたいむの言語聴覚士 金浜 悦子です。
このレポートでは、札幌で毎月開催している失語症の方のリハビリ教室
「こみリハ」の様子をご紹介しています。
この教室は、ご家族も一緒に参加することができます。

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肌寒さの残る4月の第3土曜日、いつものようにスーパーアークス菊水店でこみリハ教室を開催致しました。
失語症の方とご家族9名のご参加でした。1ヶ月ぶりですが、あっという間ですね。皆さんすっかり顔なじみになられ、お互いに会釈やお声でご挨拶されていました。


前半は近況報告です。ようやく外歩きができる季節になり、ウォーキングと称して外での歩行練習を再開したという話題が多く聞かれました。腰痛対策をかねたプール通いを始められた方のお話も聞かれました。朝明るくなるのも早くなり、3時に起床されている方も。Tさんは年に2回の豊富温泉通いがあったり、近郊に出かけ、渡り鳥をご覧になったりされているそうです。いずれも春の訪れを感じる話題でした。

後半のレクは『サイコロ計算ゲーム』です。


2人もしくは1人でサイコロを2個転がして頂きます。出た目の数を1から9までの数字の持ち札を合わせたりそのままの数を裏返し、早く持ち札すべてを無くした組が勝ちになります。例えば6と6が出た場合、足すと12になります。持ち札を合わせて12になるようにするといくつかパターンができます、9と3とか、7と5とか、8と4とか…そこからどれを捨てるか残すかの駆け引きが始まります。




皆さん初めてではないのですが、コツを忘れている方も多いかと、先ずは練習してみて慣れたところで勝負の本番となりました。最初は各組順調に札を裏返していきますが、徐々に出た目の数と合わなくなってきたりするのでパスが増えたりとサイコロを転がす手にも力が入ります。出た目の数をみて徐々に落胆の声や歓声が聞かれ、大いに盛り上がりました。失語症の方にとって数字や計算は理解が難しくなったり、言いにくかったり言い間違ったりしやすいものなのです。

失語症の方とご家族も参加できるこみリハ教室は、毎月第3土曜日午後2:30~4:30まで、スーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームで開催しております。詳細はいーたいむにお問い合わせください。