令和6年11月の「こみリハ教室」


先月のお天気とは打って変わり、穏やかな初冬の一日です。午後2:30、スーパーアークス菊水店の2階にご参加メンバーさんが集まりました。失語症の方とご家族8名にご参加いただきました。

いつものように、先ずは皆さんに近況をお伝え頂きます。道北の豊富温泉に行ってきたTさん、豊富温泉の特徴をお話し下さいます。今回も写真がいっぱい、ガソリンのにおいがして油が浮いているようなお湯ですが、アトピーには非常に効果が高いとのことで奥さんをお連れになったそうです。仕事にも復帰でき、車の運転も可能とのこと、当たり前だった日常を取り戻そうと頑張っていらっしゃいます。
休憩時間に写真のファイルを皆さんに披露してくださいました。他の皆さんも興味津々です。



Nさんは、お孫さん達が遊びに来たことを毎日記している日記でお教えくださいます。音読も普段は練習しているので是非挑戦して頂きたいところですが、ノートを見せるのが安心のようです。これも大事な伝える方法の一つです。


今日の後半は、ご家族と失語症の方たちとに分かれてご家族は情報交換などを行って頂き、当事者の皆さんは質問ゲームを致しました。いつも隣にいるご家族に頼ることなく皆さんおちついて挑んでおられました。

ゲームは質問を書いたカードを1枚取り出し、その質問をグループの誰かに名前を「○○さん」とご指名してから読み上げて頂き指名された方にイェスかノーで答えて頂くというものです。皆さんとてもスムーズに答えられ家族の助けが無くても応じることができました。質問に関連つけて更に1人づつ答えて頂く場面もありました。

例えば「○○さん、お寿司は好きですか?」という質問に当然「はい」と答えが返ってくるのですが、「では特に好きなネタはなんでしょう」と名詞で答えなくてはいけない質問を追加してみました。すると皆さんそれぞれにお好きなネタを上げてくださいます。口頭で答えられない時は描画が役立ちます。Nさんはウニの軍艦巻の絵をすかさず描いてくださいました。



質問の内容を理解しそれに得意の方法で答えを返答できると、実用的なコミュニケーション能力を鍛えることになります。伝えられたという成功体験が次の機会に生きるのです。今回は新たな試みとして家族と離れてゲームに参加頂きましたが、時に一人の力を試す機会は大切とあらためて実感致しました。


ご家族は、失語症のご家族ならではのお悩みや葛藤がそれぞれにあります。今回は皆さんフリートークの時間となりましたが、有効にこのような機会を今後も提供できたらと思います。発症の時期や失語症のタイプもそれぞれ違いはありますが、関係をより深めて頂けると幸いです。

家族も参加できる失語症のこみリハ教室は、毎月第3土曜日午後2:30~4:30まで、スーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームで開催しております。詳しくはいーたいむにご連絡をお願い致します。

12月第3土曜日は会場の都合でお休み致します。大変申し訳ありません。
次回は令和7年1月18日です。引き続きどうぞよろしくお願い致します。

令和6年10月の「こみリハ教室」


10月の第3土曜日は、朝からどんよりと暗い曇り空から時々強い雨が降る荒れ模様の1日でした。いーたいむの行事開催日には珍しいお天気で、急に寒さも増し、皆さんお越しくださるかと心配しておりましたが、お天気にめげることなく6名の失語症の方とご家族がご参加下さいました。


今月も皆さんに近況いろいろ発表頂きました。先月から腰が痛いMさん、今日も「痛い!腰が痛い!」と発話が聞かれました。ご参加の中には腰痛持ちの先輩がおられまして、Mさんに我慢はせずに病院へ、コルセットの使用はどうかなどアドバイスをして下さっていました。奥さんが熱心にお聞きになっていました。

Nさんは、家族でバーベキューをした時のことや、美術館にかれたことなど発話は難しいので毎日書いている絵日記を見せてお伝えくださいます。Tさんも仕事の合間に美術館や文学館めぐりを楽しんでおられます。
写真に残すのがすっかり定番となりましたが、アルバムとともに口頭で一生懸命にお伝えくださいます。

Aさんはキノコ採りの季節を迎えていますが、「今年は全然だめだね」と話されます。それでもこれからまだ予定は入れてあるそうです。昨年どんなキノコを採るのかキノコの名前を教えて頂きましたが、最後の1種の名前が出てこずに皆で出し合いましたが結局わからずじまいに。その話題にもなり今年こそ知りたいものです。


休憩時間には、先日Tさんも行かれた旭川美術館で開催中の木彫り作家「藤戸竹喜の世界展」の作品を紹介しました。偶然にも筆者も行って作品を撮影してきておりました。熊の木彫りはたくさん見てきましたが、藤戸さんの世界は想像以上で感動しました。


後半のレクは、ビンゴゲームとモルック初挑戦でした。


ビンゴは25マスに1から25の数字をバラバラに記入してもらいます。皆さんさすがルールはよく理解されていて回答はスムーズに行えました。数字を聞くことや読み上げることは、失語の軽い方でも難しいことが多いのです。更に4つ揃った時には「リーチ!」5つ揃った時には「ビンゴ!」も言わなくてはなりません。各選手それぞれ同じタイミングでリーチが増えていき熱がこもりました。


後半は、モルックに初めて挑戦して頂きました。モルックはフィンランド発症の伝統的なゲームをもとに開発されたスポーツです。ルールも簡単なので老若男女問わず楽しめると言われており、今年は函館で世界大会が開催されて注目されるようになっております。ボーリングのピンのようにスキットルという木の棒を12本立て、それをモルックという木の棒を投げて倒します。皆さんに実際に投げてみて頂きましたが、意外にモルックが重そうな方がいたりしました。ルールの説明やもりあげ隊のスタッフの動きが課題のように思います。
これに懲りずまた皆さんで挑戦してみたいと思います。


失語症の方とご家族が一緒に参加できるこみリハ教室は、毎月第3土曜日の午後2:30~4:30まで、スーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームで開催しています。詳しくはいーたいむにお問い合わせ下さい。

令和6年9月のこみリハ教室


夏の暑さが落ち着き、秋の気配がただよう9月の第3土曜日の午後、いつも通りこみリハ教室を開催することが出来ました。今月は、失語症の方6名とご家族4名の方、ボランティアのご家族、見学のケアマネジャーさんにスタッフと大変にぎやかに始まりました。


前半の近況報告は順番にお話しをお聞きします。Nさんはショートステイを利用されたときの出来事を絵に描いてお伝えくださいます。残念ながら詳細を判明すること叶わず大変申し訳なかったです。機会を変えて再チャレンジさせて頂きたいと思います。丁度敬老の日に重なっていたのでごちそうが出たことはわかりました。美味しかったかは…×?だそうでして。なかなか難しいですね。

Tさんは仕事で函館に出張された時に埋蔵文化センターに立ち寄ってきたことや今日から新しい企画展が始まった美術館に早速行ってきたという報告です。美術鑑賞楽しんでおられます。Hさんは先月お休みでしたが2回目のご参加を果たしてくださいました。自己紹介も近況のお話も大分慣れていらっしゃいます。

連休に遠方にいらっしゃる息子さん家族が来訪されたこと、Kさんはリハビリ生活を頑張っていらっしゃいます、Aさんは腰痛や白内障など治療について、Mさんはお変わりなくお元気でいらっしゃることをお伝え下さいました。スムーズに言葉が出ないことも多々ありますが、写真やパンフレットを見せてくれたり、描画、自前のメモを用意される方、こちらからの質問に答えて頂くなど様々な方法を駆使します。



後半はウォーミングアップの「ア、イ、ウ」発声のあと、伝達ゲームを行いました。


ご家族の皆さんには、いったん下を向いて頂き、失語症の皆さんに問題の絵を観て頂きます。


答えを隠してから家族の皆さんに質問をして頂き失語症の方には「はい」か「いいえ」でお答え頂きます。質問の仕方を工夫することで答えを絞っていくものでコツが必要です。常連のご家族はずいぶん慣れていらして嬉しい限りです。



今日のテーマは新聞、西瓜、扇風機、鉛筆など沢山行うことが出来ました。後半は、ジェスチャーで表現することに挑戦して頂きました。同じものを表現するのも各々違いがあって興味深いです。例えば「鉛筆」はある人は紙に書く真似、ある人は鉛筆削りを回す、またある人はナイフで削る仕草など、時代が違うねと皆で大笑いでした。

ご家族も参加できるこみリハ教室は、毎月第3土曜日午後2:30~4:30まで、スーパーアークス菊水店2Fコミュニティルームで開催しています。
詳しくはいーたいむにお問い合わせください。