令和2年9月のこみリハ教室


秋晴れの9月19日、いつもの第3土曜日の午後、スーパーアークス菊水店の2Fでこみリハ教室の日です。まだ窓を開けたままでも開催できる気持ち良いお日和でした。
換気とソーシャルディスタンスの環境で、失語症の方とそのご家族併せて10名様がマスクをつけてご参加くださいました。

前半は、皆さんそれぞれにこの1ヶ月を振りかえっての近況報告です。


Kさんは、ご実家の病院で音楽療法士さんのコンサートを開催したこと、好きな作曲家はモーツァルトだそうですが、リクエストを求められて、「上を向いて歩こう」を選んだことをお話しくださいました。またNさんは、話し言葉ではなかなか説明できないのですが、いつもノートの絵やパンフレットなどの資料を使ってお伝え下さいます。

今回は奥様の誕生日に本州に住む妹さんからいつものお楽しみプレゼントが届いたお話。中身は勿論のこと梱包や切手の貼り方にも趣向を凝らして楽しませて下さるお話をいつもお聞きしておりますが、今回も東京出身の奥様が懐かしく楽しまれた梱包の切手をご主人が切り取ってファイルに忍ばせてきてくれました。


ご参加の皆さんで感心しながら拝見致しました。筆者も懐かしい昔の郵便局のマークを見つけました。旅行好きのIさんは、GoToトラベルを使いたいけども迷ってる~とか、他の方もそれぞれに麻痺の右手で最近書字の練習を始めたというお話や、減量を目的に散歩の回数を増やしている方、そろそろ秋のキノコ採りに出かける予定の方など様々な話題がありました。

近況報告の為のネタに悩み、「なんにもない」とお応えになる方もいらっしゃいますが、大丈夫です。必ず何かをお伝え頂けるよう私たちが質問を用意しております。言葉を発する必然性は、伝えたいことがあること、伝えたい相手がいることです。
おしゃべりが楽しく感じられるよう、私たちスタッフも努めて参ります。

後半は失語症レクリエーション、今回は恒例の質問ゲームです。


これは、失語症訓練の一つ通称PACE(ペース)訓練と呼ばれているものがベースになっております。失語症の方にお題となるものの絵を見せます。家族の皆さんはそれが何かを失語症の方たちの説明によって当てるというものです。本来のPACEでは口頭で説明する方法以外にジェスチャーや描画などできる表現方法を選択し用いるのですが、グループでは、このほかに解答者からの質問にハイかイイエで答えてもらう方法も取り入れており、聞き手の方たちにも失語症者との会話のコツを体験頂けます。

今日も失語症の方たちは説明に、聞き手の家族の方たちはどんな質問が答えにつながるか、各々頭を悩ませていました。「いざとなると難しいですね」と家族の皆さんが声を揃えていらっしゃいました。でも大丈夫です、必ずコツがつかめてきますので、これからも回を重ねて続けていきたいと思います。
今日もあっという間の2時間でした。

次回のこみリハ教室は、10月17日(土)14:30~です。
会場はスーパーアークス菊水店2Fです。
詳しくは、いーたいむにお問い合わせください。